中級講座第ニ回「困った時に使う手筋」

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中級編第2回目は、これまでにご紹介できなかった手筋をどんどん紹介していきましょう。これを使いこなせるようになると、実力もぐんとアップします。ただ、あまり実戦には出てこないものもありますので、使いこなすには時間が必要かもしれませんね。

 

1)逆引きの手筋

普通は三を引く時には広い方や味方がいる方に引きますが、時としてその逆に引いた方がいい場合もあります。逆モーションとでも言うのでしょうか。相手の読みを外すという効果もあります。

白8までの局面を考えてみましょう。ここからの黒勝ちを調べてみましょう。前やったトビ三後のぐるぐる勝ちが通用しそうですが・・・

黒9のトビ三からの攻撃がありそうです。黒13まで進んだ時、16の地点が三々になって困ってしまいます。しかも白に四で禁手を打たされる危機に陥っています。仕方なく黒15と打ちますが、白16、18と止められるともう勝てなくなってしまいました。三々がネックになっている時は、逆引きが有効な手段となります。最初に戻って考えてみましょう。

黒9と反対に引くのが妙手です。これに対し、白10から止めるのは、同じように黒11のトビ三から攻めると、ちょうど17が四三となり、簡単に勝つ事ができます。これが逆引きの効果です。

白10を反対も考えられますが、これは「引いた方に止めない」ので、当然上辺に進出する事になります。黒13、15と先に横から引くのが白にノリ手をさせない手順です。

引き方に困った時、逆引きは一度は考えてみたい手筋です。

2)三々をかわす手筋

序盤での三々禁は黒にとって脅威です。それをかわすには、いろいろ手段はありますが、「三々になる点をあらかじめ打っておく」というのが最も手堅い打ち方です。

斜月白4は知らないと黒は対処できません。黒5が定石ですが、白6の後、一見打ちたい所に見える黒7はすかさず白8、10と打たれてあっという間に三々禁になってしまいます。黒7を打つ前に一工夫が必要です。

先に黒7と三々になる場所を打っておくのがいい手になります。こうしておけば、黒9が絶好のけん制手になり、白は防ぐ事ができません。

次の手筋は「相手の石を利用する」という技です。例を見てみましょう。
名月白4は独特の防ぎですが、黒5が慣手(次善手)となります。以下白14まで進んだ時、黒15、19と打ちたいのですが、その前に黒17の四ノビを打っておくのが大切な一手となります。これを打たないと、すかさず白A、BでX点が三々禁になってしまいます。白18に石を入れる事により三々禁を回避しているのです。

もう一つ、同じ例です。疎星で白10から引いていく作戦は良く見られますが、黒13の止めが絶対です。というのも、白16から16、18と打って19点が三々禁のように見えますが、白16と自分の石が邪魔になって三々禁にならないからです。黒13を17だと、白16に石が入りませんから19の点は三々禁となってしまいます。
同じように見えますが、大きな違いなのでぜひ覚えてください。

三々禁を解消する手筋はまだまだあります。次は長連筋を利用する手筋です。例えば白10と13点の三々禁を狙われた時、防ぐ手や禁点を解消する手はいろいろありますが、黒11と打つのも禁点を解消しています。これは、横の三を長連筋にすることで活三でなくしています。黒13と打っても三々禁にならないことを確認してください。

また、もっと高度な手筋としては四々禁を絡める手もあります。
例を見てみましょう。白4に対し黒5は良くなく、白6で勝負あり、の形なのですが、ここから黒は粘る手があります。

黒7と引き、黒9と止めておきます。白10と打つことにより三々禁が見え、風前の灯のように思われましたが、白12と決めに行った手が失着でした。黒13と下から受ける事により、15の地点の三々禁が解消してしまいます。 実際に進めてみると、白14で黒15と打たせても、X点が四々禁のため、左斜めのトビ三は活三(いわゆる普通の三)ではないため、15は三々禁とはなりません。白12では14から打つのが正解で、これなら三々禁が逃れられませんでした。

三々禁は四々禁や長連禁がからむとややこしくなりますので、くれぐれも慎重に打ってください。また、思わぬ防ぎがある場合がありますので、あきらめずに防ぎを探してみましょう。

次の一手、練習問題

(すべて黒の次の一手です)

【第4問】

【第5問】

【第6問】

前回の解答

【第1問】
Cが正解

【第2問】
Aが正解

【第3問】
Bが正解