初級講座第七回「黒の勝ち方(5)」

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黒の勝ち方はこれが最後の講座です。

序盤の組み立てが最も大事

今まで黒の勝ち方を述べてきましたが、1局全体としては、

  1. 序盤で山形などのいい形に組む
  2. 三を引いていく
  3. ミセ手や含み手で決める

というのが一番標準的な流れです。特にこの中では、序盤でいい形に組むということが最も重要です。では、いい形に組む前の打ち方としてはどうでしょうか。前に連珠は珠型から打つ、と言いましたが、珠型の選択から勝負は始まっています。しかし、必勝珠型や有利な珠型を選んだだけではいい形に組めません。5手目、7手目といった珠型選択後の打ち方が最も重要なのです。ここでは読みはなかなか難しいので、覚えることも必要です。大体の考え方を勉強していきましょう。

黒3までは「雲月」という珠型ですが、白4はかなりの強防。黒5からの打ち方を知らないととても勝てません。黒5はどこに打つのがいいでしょう?

この2つの5手目、似ているようですが、全然違います。左側の黒5は専門的にはもう必敗とも言える悪い手です。一方、右側の黒5は、定石で必勝手です(この後も非常に難しいですが)。向きが違うだけで結論がまったく変わるのは不思議ですね。連珠が持つ一手の大きさがよくわかります。

次の例です。黒3までは「瑞星(ずいせい)」と呼ばれる珠型です。白4は瑞星独特の防ぎで、この5珠は知らないとまず打てません。

普通の発想では左側の図のように白の二連を叩いてしまいそうですが、実はこれは黒必敗です。正解は右側の図の黒5です。こんな所?と思わず言いそうですが、よく見れば山形の急所です。序盤の必敗型は、だいたい三々禁を狙われるパターンがほとんどです。黒は三々禁を見極めながら、まるで地雷を避けていくかのように打ち進めるのが肝心です。

上の4つの図はいずれも名月からの白4の防ぎです。特に桂馬の珠型には5珠が難しいものが多いと思います。それぞれ黒5はどこが定石か考えてみてください。

上図がそれぞれの定石です。なかなか普通では想像できない場所が定石となっています。最後の5だけが素直に押さえる手なので、かえって裏をかかれたでしょう。
このように、序盤の組み立てはある程度の知識が必要です。これについての詳しい情報は、次の「中級編」で書いていきたいと思っています。
ここでは、黒5からしっかり考えて組み立ててくださいということを言うことに留めます。

組み立ての基本

瑞星では例外もありましたが、基本は 斜めの連を叩くということです。

図は花月切り違いと呼ばれる防ぎですが、黒5と叩くのが定石です。斜めの連は非常に攻撃力が高く、それを三にさせないのが主の目的ですが、たいていの場合叩く手が離れた連や剣先をつないでいることが多いものです。

図の黒9の叩きもこの一手とも言うべき手です。この9は右上に伸びる剣先と下辺をつないでいます。たいていこういう手は間違いがありません。序盤の例外だけ覚えておけば、普通は最善手という場合が多いと思います。
これからは、最初の数手に十分時間をかけて構想を練って打ってください。その積み重ねが必ず財産になります。

次の一手、練習問題

【第16問】
黒次の一手は?

【第17問】
黒次の一手は?

【第18問】
黒次の一手は?

前回の回答

【第13問】
Aが正解。

【第14問】
Aが正解。

【第15問】
Aが正解。

3問ともBCは含み手になっていません。