初級講座第八回「白の打ち方」

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今回は、白の打ち方です。

白の打ち方は黒とは違う?

今までは黒の勝ち方を述べてきましたが、実はこれは白にもまったく同じことが当てはまります。しかし、白番の時はなかなか攻めには行けません。白はまず、
とにかく序盤は止めまくる!
という基本姿勢で打ってください。どこを止めればいいかわからない、という方も多いかと思いますが、これまでの講座をしっかりマスターしていれば心配ありません。黒が次に打つ所に先回りすればいいのです。ですので、白も黒の攻めを読むというのが重要になります。しかし、やはり防ぐコツはあります。代表的な止め方をご紹介しましょう。

(1)桂馬の網

一番代表的な防ぎが桂馬の網です。石が桂馬の位置にあることで、効率良く止めているのです。例を見てみましょう。

恒星白4の防ぎに黒5と引くのはあまり良くありません。次に黒7と組んでも、白8で桂馬の網にかかってしまいます。白の4つの石の位置を見てください。ちょうどお互い同士が桂馬の位置にあります。この中では五連はできません。黒はもがけばもがくほどどんどん悪くなっていきます。この後も白は黒を止めていけば自然に優勢になります。

(2)連を叩く

これは黒の攻め方でも述べましたが、白も当然重要な一手になります。この連を叩くというのは攻めにも防ぎにも役立つ、必争点と言えるでしょう。

浦月で白4は最強防ですが、これも連を叩く手になっています。黒5と組んだ時にも白6と連を叩くのが強防です。横や縦の連よりも、斜めを止めた方が一般には効果的です。山形も斜めの連の集まりです。連珠では斜めの方が効果的なのです。

明星の黒5からの変化です。黒13までかなり黒が有利に見えますが、ここで白14がこの一手とも言うべき叩き。これにより、1、5、9の剣先の威力も間接的に弱めています。逆にここを黒から引かれると、すべての石がつながってきます。双方逃せない地点でした。この一石により、黒は苦戦を余儀なくさせられます。

(3)剣先を叩く

序盤ではあまりありませんが、剣先が増えてくる中盤以降は剣先を叩いておく手に悪い手はほとんどありません。「手のないときには剣先を叩け」とも言われているぐらいです。何しろ四三の元です。早めに芽を摘んでおくことに越したことはありません。相手が定石を外した時などはもっと効果的です。

浦月最強防に黒5は異着で混戦となります。黒7も狭く、白8で早くも白が一本取った形です。黒は攻められないので一旦11と休んできますが、白12と剣先を叩いて十分です。なおも黒13、15と攻めたとしても、白14、16と全部剣先を叩いておいてさらに有利となります。
このように、相手が引き詰まってきたら、剣先を叩いておいて息の根を止めるのが非常に効果的です。まさに「戦わずして勝つ」を地で行ったものです。止めているだけで優勢になるのですから、これほど楽なものはありません。黒はこうした展開が最悪で、こうなる前に組み立てをもっとしっかり考える必要がありました。

(4)筋を止める

連珠の格言に、「石を止めずに筋を止めよ」というのがあります。この筋を止めるというのはなかなか難しく、最初のうちはぴんと来ないでしょう。連を止める前の一の段階で止めている事が多く、桂馬の網とも関連があります。

寒星でこの白4の防ぎも既に筋の防ぎと言っていいでしょう。これに対し迂闊に黒5、7と引いていくと、白8で最初に打った白4が非常にいい位置にいることになります。筋の止めは、あらかじめ相手の好点になりそうな場所に先回りして押さえておく手なのです。左図は白が見事に桂馬の網を築いていることがおわかりですか。

銀月黒9までは前回にも出てきた黒の基本の組み立てですが、白12に対し黒13と休んできました。ここで白はいろいろな止め方もありますが、白14も立派に成立します。連も剣先も止めてはいませんが、次黒がそこに打てば両ミセとなりますので、急所には違いありません。
繰り返し言いますが、白の場合は黒の攻めを正確に読み切れるかということが重要です。黒の攻めがわかれば、そこを効果的に止めればいいだけです。止めきってしまえば有利となります。

次の一手、練習問題(今回は白先です)

【第19問】
白次の一手は?

【第20問】
白次の一手は?

【第21問】
白次の一手は?

前回の回答

【第16問】
Aが正解。

【第17問】
Cが正解。

【第18問】
Cが正解。